面白い話

パチスロ青春日記Vol.9~大爆裂機時代ストック機編~

世の中は大爆裂機時代

パチンコは96年に確変5回リミッター規制という、要は確変連荘は5回までという強烈な規制のため真冬の時代が訪れた。

99年に撤廃されたのだが、客の戻りはそこまで良くなく、ほとんど海物語1強といえる時代になった。

もともと、この海物語のご先祖さまといえるギンギラパラダイスを打ち込んでたので規制撤廃後に出るぞって言われてた海物語は一度やっとかんといかんと思っていた。
新台入れ替えの日に打ってきた。
そんな真冬の時代を通り過ぎたパチンコだが、それでもまだ目玉になるような機種が登場していない2000年初頭時代。

スロットは熾烈を極めていた。

まず、前日の閉店直後から並び始める若者が出始めた。
モーニングではないが、サミー系のAT機は朝一は天国モードスタートがある機種が多かったためだ。
誰かが廻してからだと、地獄モードの可能性もあったので朝一からやりたいという人が良く並んだ。

獣王やダブルチャレンジがAT機の初期であれば、2世代目がサラリーマン金太郎だろう。

初期サミー機はコピー打法というとんでもないキズネタ発覚でレバー交換などの対応に追われていた。

ほとんどの場合撤去の方向になったが人気機種が多かったため部品を交換して設置し続ける店舗も多かった。

そんなときに次世代機になるサラ金の登場だ。

キャッチフレーズは時速5000枚。ATの連荘性能から、1時間で10万勝てるということだった。

近隣のC。ブラボーキングダム時代はBというお店だったのだが、親会社が倒産してしまい、ホールを隣県のチェーン店のCが買い取り運営していた。
Cになってからはスロットは裏モノ臭いものが良く導入されていて、あまり近づかなかったのだが、最近ここのパルサーはよく出しているのでたまに行っていた。

珍しく朝、早くに目が覚めたので早めに行って並ぶかと思って行ったら20番目くらいだった。
すげーなー。朝からこんなにならぶんだなぁとおもって前を見ると仕事でお付き合いのある方がいた。
【僕、サラ金打ちたくて1時間並んでますw】とのことだった。
AT機の情報をほとんど入れてない僕は、サラ金は、消費者金融をモチーフにしたスロットくらいに思っていた。

開店。ドアが開く。私の知り合いは猛ダッシュでサラ金へ。僕はパルサー打つつもりだから慌てずゆっくり入った。
が、サラ金のコーナーに行くと、ラスト1台空いてた。
なら、一回やってみるかな。

だいたい、サラ金て、サラリーマン金太郎のことだったのか。これは、漫画と実写ドラマを見たことがあるぞ。
確か暴走族のあんちゃんが土建屋に勤めに行ってどんどん出世してくような話じゃなかったっけかな

ってことでサラ金に座る。知り合いは、1台はさんで左側だ。最悪わからなかったら聞ける距離だなと。

軍艦マーチがなる。
一斉に打ち始める。

サラ金は筐体上部(人間でいえばおでこあたりかな)に液晶がついていてこの液晶で演出をしてくれる。
なので、みんなドラムというより液晶を見てる。
自分はよくわかってないので周りの打ち方を見ていると青7を上段あたりに押すか、REG図柄を押してるな。REGの付近にチェリーがあるし取りこぼししそうな緑色の役柄もいるのでおそらくREGを押すのが正解なんだろな。

そんなこんなしているうちに、液晶が騒がしくなる。
みんな騒がしくなったら青七を押してる気がしたので押してみる。上段に青七が止まる。その刹那知り合いが目配せしてくれた。たぶん、入ってますよっていう合図だ。
しっかり目押ししたら777。サラ金風に言えばよっしゃーってやつだ。

ケータイでリプレイ外しなどを確認して消化。終了。
このサラ金も獣王同様、ボーナス終了後が熱い。同じようにハズレでAT抽選らしい。

演出が騒がしくなる。
なんかどんどん熱そうな演出が出てくる。

そして金太郎チャンスというなんかへんちくりんな図柄が止まる。
なんじゃこれ?けどチャンスってついてるからATなのか?

そっと知り合いの方を向いてみると、拍手してる。どうやらATのようだ。

そこから1時間。運よくATが連荘した。本当に1時間できっちり5000枚でやがった。こりゃ凄い。

3号機時代の裏モノでも万枚でる台はあった。コンチ1やコンチ3。初代アラジンは裏モノではなかったがラッシュがうまく続けば一撃10万て可能性はあった。

しかし、これらは1日かけてそのくらい出るかどうかだった。

表の4号機。1時間で5000枚でる。こりゃ、スロット廃人がいっぱい出るぞと思った時でもあった。

あまりの出方にビビってしまって、普段打つことはなかった。行きつけのNでパルサーで半箱~1箱出たらそのメダルをもってサラ金みたいな流れが多かった。
そして僕は本当にATを引けない人間で、サラ金でBIGを連荘させてカチ盛りを作ってたりした。ストック機かよってよく突っ込まれたもんだ。

C店。サラ金も設定が落ちてきて稼働が悪くなったころ、1世代前の獣王が入ってきた。
どうも裏モノ臭いという噂があった。

世の中は獣王でも猛がつく方の猛獣王の時代になりつつあった。
こちらは獣王の進化版で、まず、ATには100が登場した。
で、打っているモードでATの挙動が変わる。
ライオンモードだと、ATは10,30,100があり、この3つを抽選する。
ゴリラだとATは20固定。ダチョウだと、10Gのみだが終了時に毎回1/2の抽選がある。
最終的にはどのモードでも同じということだったが、僕はAT100があるライオンを好んでいた。引きが良ければ連荘内で100を2回も3回も引けば一気に回収できるからだ。
また、猛獣王は天井が秀逸で、天井に入るとチェリーフラグごとにATが当選するようになる。パンクはそのチェリーの1/256だ。
実は私はこのパンクチェリーを2度引いたことがある。

逆に天井ATだけで万枚出したこともある。

C店はそんな猛獣王ではなく1世代前の獣王を入れた。普通に考えれば裏モノ化してんでしょ?ってなる。
しかし、そんな、標準でも大爆裂するAT機を裏モノにする意味がまったく分からなくて、出したいなら設定を上げれば裏モノみたいな出方をするのだ。
また出したくなければ徹底して低設定にすればよい。たまに間違って爆発すると言っても、そこまでの吸い込みを考えれば10万でたところで何ともないのがAT機だから。
なので裏モノ説は懐疑的に思っていた。
けど、裏モノらしいという噂が蔓延したこと、サラ金をはじめ、新しいAT機が出始めている時代に1世代前の獣王を打つものなどいないのが当然だ。

そんな時期に、スロット雑誌にリノという台の説明が出ていた。

ボーナスが連荘するらしい。
●ゲームまでが◇分の1だかなんとかという解析が出ている。

簡単に整理すると、200Gくらいまでに集中してボーナス成立するようなモデルらしい。細かいことはわからないんだが。。。

Cに導入されていてほとんど人が座っていないのを見ていた僕はちょっと一回やってみようかなと思ってやりに行ってきた。

とりあえずリノには誰もいない。
朝からの回転数を確認してみると全台0だ。まだ誰も座ってない。
どうも雑誌を見ると、朝一は、あまりおおハマリのテーブルを選ぶことはなさそうだということ、大体120回転前後まわしてカニ歩きというのが有効そうかなと思って、100回転を目途にまわしてみることにした。

3台目あたりでBIGを引く。ほー。なるほど。
その後は50G以内で3連荘。
100G回してボーナス引かず。交換。
まだ廻していない台が残っているのでそれもカニ歩き。
最後の台で1000円でBIG。100Gで反応なし。やめ。それでも2000円くらいは交換できた。
なるほどな。朝一カニ歩きは結構有効かもしれない。

けど、あからさまな連荘だった。なんか仕組まれてたような。

少なくとも、この大爆裂機の時代になっても、確率変動は認めていないんだから、このBIGの連荘はいったいどうなっているのか。。。裏モノ?にしては、メーカーのサイトに堂々と連荘するって書いてあるなしくみがわからん。

その後分かった。
本当のボーナスフラグ抽選は、確率通りに行われていて、ドラムはサブ基板でリール制御していて、メイン基盤でのボーナスがフラグが立ってもリール制御でそろわせない。
制御でそろわせないようにしたうえでボーナスフラグを溜めて、サブ基板側の抽選でそのリール制御解除フラグを引く。そうすると溜まったボーナスがあれば開放する。
で、その制限解除に連荘性を持たせてあって、このリノについては1~10回転程度で一つのグループ、10~30、30~60というふうに回転数テーブルがあってまずはそこの抽選をする。
抽選して引いたテーブルの回転数で制限を解除という感じでやっているようだ。
このテーブル抽選には、モードがあって、天国モードといえるようなモードに入っていると、少回転のテーブルを引きやすくなることで連荘性能を引き出しているのだ。
なるほどよく考えてある。
メイン基盤はバリバリ合法のノーマル機なんだ。
そのメイン基盤のフラグをストックしていってサブ基板で波を付けて開放するわけだ。よくできている。

立ち回り方もわかってきて、僕は行けるときは朝一にリノを打つようになった。

次第に若い客が増えてきた。
そう。こんな簡単な攻略法、誰でも思いつくわけで、そういう朝一カニ歩きのハイエナが増えてきたのだ。

時代はAT機全盛だが、食おうと思ったら当時の設計が緩いストック機がおいしかった。また、AT人気に推されてストック機はそこまで人気もない。

そんなとき、キラ星のごとく登場したのがカエルだ

出た当初はパルサーの新作でしょ?くらいに思われていた。
しかし、ニューパルサーもRやTといった初代ニューパルのほぼ丸コピーの機種もある。このパルサーはニューパルサーではない。キングパルサーなのだ。
最初のうちは見慣れたカエルだってことで、おっちゃん・おばちゃんがよくついてたけど、なんかよくわからない出方をするので、一時期は客がまったくつかなくなっていた。

リノが入っていたCも、リノを外してキンパルを入れていたがほとんど客がついていない。
このキンパルは、リノと同じような仕組みのストック機だが、より開放のテーブルがわかりやすくなった。
覚えておくのは、2のべき乗のかず。
2・4・8・16・32・64・128・256・・・このあたりまでの数字を覚えておけばよい。
簡単に言えば、連荘モードのテーブルだと128Gまでに当選する。
通常時なら大体256G以内が大半。もちろん超えることもあるが、こえてからも当選のテーブルは存在するので、次は256の2倍の512まで。ここの2倍は大きい。だから、上限256Gで一旦やめることを検討すればよい。
天井は1280Gかなんかだった。立ち回りとしてはボーナス当選したら、128G回してダメなら天国ではない。高設定判断をして多少粘るつもりなら256だ。次に打つとしたら、512Gを越して600台か700台まで回してある台だ。天井が見え隠れし始めるからいやでも当選するところが見えている。(0Gの時点でボーナスフラグがストックされていたら。。だ。)
開放回転数を抽選している機種だから、高設定でも運悪く天井の1280Gを抽選することももちろんある。だから、ハマったから低設定といえない時代になった。
そのハマリを超えたら高設定なら天国モードを引くかもしれないという期待もあって、その見極めが重要な機種だった。
立ち回りは簡単だから、これをベースに、朝一ならとりあえず64Gでカニ歩き、どこかでボーナスをつかめばその台を128まで回す。
カニ歩きでうまく見つけられなかったら、64Gまで回した台を次は128Gまで回してみる。大体このやり方でどこかでボーナスを引き込み、うまくすれば連荘にありつける。
ボーナス後はとりあえず128GでやめることをベースにメダルがBIGの半分くらいしかなくてもジェットに流す。
これを半日も繰り返せば大体収支はプラスになったもんだ。

僕がこのやり方で少し食えるほど稼げるようになったころに、周りの一般客もキンパルの良さに気づき始める。独占できたのは1か月ほどだっただろうか。
次第に、カニ歩きもやりにくくなってきて、次は128Gでやめてある台狙いにシフトした。
先ほどの通り、128Gの2倍の256Gが次の辞め時だ。
現在天国モードにいないにしても、128Gを通過した台で256Gまでのテーブルに当選している確率は50%以上程度あったと思う。
2台に1台は256で当たるはずだ。
その論理で128~180G程度で捨ててある台を今度はカニ歩きする。
これは、天国ねらいのハイエナと被らない。むしろそのハイエナのハイエナになる。

論理的には、128Gを超えて捨ててある台と、ボーナス後0G台で見たときに、同じ128回転させて大当たりに至る確率は同じくらいだと思っていた。

これは、ライバルもおらず楽にハイエナできた。
もう3か月ほどはこれで食えるほど稼いだもんだ。

そうこうしているうちにキンパル人気に火が付き、どの店に行っても2シマは入っていた。そのころ、AT機の方は荒すぎる性能のため、ハマリが深くどんどん客がいなくなりストック機へとシフトした。

パチスロ青春日記

パチスロ青春日記Vol.1~2号機編~
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Tホール。
Tホールに行くと店長が近寄ってくる。
おお来たのか~今日も打ってきや~と、景気の良い言葉をかけてくれる。

パチスロ青春日記Vol.2~モーニング編~
パチスロ青春日記Vol.2~モーニング編~

Tホール
当時は世のパチンコ屋さんは10時開店が普通だった。
ほとんどどの店も10時に開店。一斉にマイクアピール
【いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。いらっしゃいませ。はい。朝一フィーバー●●番台!おめでとうございます!モーニング無制限GETです】
といったような派手なマイクアピールがどんな大型店でも当然のようにやられていた時代。

パチスロ青春日記Vol.3~4号機冬の時代編~
パチスロ青春日記Vol.3~4号機冬の時代編~

スーパープラネットを打ち込みまくっていた僕。
たまに庭にしていない店に行ってもまずはスープラがあるかどうかを確認する日々だったが、スープラも時代とともに古くなってきて、設置台数も少なくなりつつあった。

パチスロ青春日記Vol.4~新装開店編~
パチスロ青春日記Vol.4~新装開店編~

パチスロのほとんどが4号機に移り変わってきた94年。
3号機で生き残っているとしたらスープラがほとんどで裏モノ化した機種はほとんど消えていた。
それでもたまにガッツリと裏モノ3号機を入れて営業していて、警察の検査が入って1か月の営業停止処分をくらうお店なんて言うのも結構あった時代だ。

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