シン・エヴァンゲリオン劇場版に向けて、復習をしております。
前回記事で示した通り、私はエヴァンゲリオン【Q】新劇場版についてその前作となる、【破】や【序】より、TV版~旧劇場版とのつながりの深さを感じています。
なら。。。ということでTV版~劇場版Airまごころを君にをもう一度見るしかないだろうということで、この年末・年始に一気見しました。
今回はそのTV版を見た感想から。
TVアニメ放映当初から細かい設定が決まっていたとは思えませんが、それでもある程度大きな流れは設定されていたものだろうと考えられる。
例えば、セカンドインパクトが起きて現状の世界ができていて(地球の地軸がずれて年中夏であるとか、首都は東京都→第二東京市→第三新東京市と遷都されていて、東京都は原野が広がる空き地になっているとか。)、使徒はサードインパクトを起こそうと、ネルフ本部地下セントラルドグマに隔離されていることになっているアダム(実はリリス)に接触しようと進行してくるというストーリ―。
新劇場版までを見た限りでは、このアニメ版ができた時点ですでに、世界線の設定があり、様々な可能性の中の一つに過ぎなかったTVアニメ版の世界を見せられていたように感じる。
TV版終盤近くでカヲルが語る様を冷静に見てみると、カヲルはゼーレが送り込んできた使徒として(おそらく誰かのクローンと想像されるが。。。もしかしたらユイの男性バージョンなのかな?とか思ったりしている。)、ゼーレはカヲルをトリガーにサードインパクトを起こそうとするが、ゲンドウはゼーレの行動を予測しており、アダムに見せられたリリスを磔にしているというシーンがある。
カヲルはすべてを悟り、シンジに殺されることを希望する。このすべてを悟るというのは、上記のアダムがリリスであり、カヲルではリリスとともにサードインパクトを起こせないことを悟ったという単純なことではなく、エヴァンゲリオンで描かれる世界の設計図のようなものに気づき、ゼーレやゲンドウなが何をしようとしているのかに気づくといったシーンに見える。
アニメの中だけでは理解不能な言動や行動がカヲルとレイには多すぎて、まったくわからないのであるが、
TV版セカンドインパクト
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TV版の世界
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旧劇場版(Air/まごころを君に)→サードインパクト(新劇場版ではセカンドインパクトとなる爆発点)
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新劇場版セカンドインパクト
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新劇場版【序】(TV版に似た世界が展開される。なぜなら、【セカンドインパクト】~【サードインパクト】の繰り返しの世界に入り込んでいるから。)
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新劇場版【破】(ニア・サードインパクト。本来なら新新劇場版?ともいえる新しい世界のセカンドインパクトとなる爆発点のはずだったが。。。)
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新劇場版【Q】(ゼーレが望んだ新しい世界とは、サードインパクトのあとにセカンドに戻らず先に進む世界。これのことを人類補完計画と呼ぶとしたら。。。)(フォースインパクト発動・ストップ)
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新たに踏み出した世界(シン・エヴァンゲリオン劇場版)
このようなストーリー展開で、サードインパクトが起きると、次の新しい世界でセカンドインパクトとつながりまたやり直しの世界が起きる。
これに気づいたゼーレは委員会メンバーの魂を人間の肉体から切り離しモノリス(機械化)することでセカンドインパクト発生時に、LCLになってしまうのを避けようとするのではないかと思いました。
まだTV版では、モノリスで登場するときと人間で登場するときとがあるのでまだ完全ではないのでしょうが、あとを引き継いだ新劇場版の世界ではおそらく12人いたゼーレのモノリスのうち、7人までが次の新しい世界に引き継げて、肉体が無い状態になったのではないかと考えられます。
ゲンドウ・冬月については、自分たちの頭脳でこのあたりまでたどり着く設定で、ゼーレの考えにも自力で気づいた上で、ユイの魂がエヴァに吸われることがない世界を作ろうと、サードインパクトのトリガーをいろいろ変えながら、前回の世界とはまた違った世界を作ろうとしているというお話に見えます。
なぜなら、ゲンドウについては終始一貫して、レイを作ることで最終的にはユイに戻ってきてほしい感じがありありと出ていますし、そのゲンドウに、黙ってついていくと終始宣言する冬月を見ていても、目的はユイを目の前に戻すことが目的であるのは確かです。
しかしサードインパクトの発生を止めることも無く、また、エヴァを使って使徒をせん滅するさまも、嘘ではなさそうなので、であれば今のこの世界でユイが戻ってくるとは思っておらず、次の新しい世界(新世紀であったり新劇場版であったり)でそもそもユイがエヴァに取り込まれない世界を目指してそうなりそうなサードインパクトを起こそうとしているのかなと思えます。
ゼーレの希望通りではそうならないから、ゼーレの希望を少しずつずらして新しい世界は少し今までと違う世界になるようにと願いを込めて起こしているように見えるということです。
新劇場版の世界進行具合だと、TV版では完全にエヴァのコアに溶け込んでしまったユイの魂(おそらくアスカの母親とかもそうなのかも)でしたが、新劇場版では、コアと呼ばれるものがコアユニットとなり、魂がサルベージされているものというより、機械的なものに近くなってきています。
このような変化が起きているのなら次か、次の次くらいの新しい世界ではユイの魂を宿らせる必要がなくエヴァが稼働しそうです。
ようは、ガフの部屋にいるユイの魂はユイの肉体に宿ったままという世界がもう少しで完成しそうなのです。ゲンドウと冬月はそれを目指して再度繰り返しの世界を作ろうとしているのではないかと思います。
TV版だけを見ても、ちょっとわかりませんが新劇場版を観てしまった以上は、そう見えてしまいます。
そして、後付けというより、放映できるかどうかは別として、最初からこのくらいの設定をもってTVアニメ版を作っていたと考えるのがふさわしそうで、旧劇場版である、Airまごころを君にを見ても、まだ続きそうな雰囲気をありありと出して終わっていきます。
当時はテレビ東京(テレ東)のアニメでしたし、映画もいわゆるインディ映画として放映されましたが、新劇場版を作るにあたり、委員会方式を取りそして、メジャーな日本テレビが権利を買い取った形になったことで、新劇場版で続きの世界を描けるだけの予算が取れたと見るのが正しい気がしてきました。