2021年1月に公開が予定されているシン・エヴァンゲリオン劇場版を観る前に、過去作を復習しておきましょう!
今回は1作目にあたる【序】の復習とします。
新劇場版エヴァンゲリオンは、総監督である庵野秀明氏の所信【我々は再び、何を作ろうとしているのか】
を起点に、繰り返しの世界を描いたアニメ映画です。
あと4ヶ月ちょいなので、庵野秀明の所信表明を額縁に入れて臨戦態勢に入った。 pic.twitter.com/DtzbDsosYr
— くさぱん (@kusapan) February 19, 2020
シン・エヴァンゲリオン、その前作に当たる【Q】・【破】・【序】は、TV版、それに連なる劇場版エヴァンゲリオンとは別の世界、繰り返しの世界を描いた映画とされていて、似ているが違う世界であるという設定だ。
だから、アスカの名字が惣流から変更されていても、新キャラに当たる真希波・マヤ・イラストリアスが登場しても、全く問題がない世界なのだ。
なにせ、繰り返しの世界であり、TV版とは違う世界だから。
細かく言えば、加地さんの役回りも微妙に違っているし、物語のキーでもある渚カヲルの位置づけやシンジとの接触も全然違う。
そして、カヲルに至っては、【序】のラストで登場し、『また3番目とは・・・』など、前世であると考えられるTV版の世を知っているかのような発言がいくつかある。(こちらは【破】の復習で詳しく)
エヴァンゲリオン新劇場版【序】は、ニアリーイコールと言える世界が繰り広げられる
新劇場版の第一作目の【序】は、ラミエルとの対戦までが描かれた作品だ。
そのほとんどが、TV版に近く、よく似たストーリー進行をしていく。
おおきな違いがあるとすれば、ミサトはTV版より使徒やエヴァについての理解深度が深いように見受けられること、序盤にもかかわらず、シンジのことを男性として認めている節がある。
ミサトにおけるシンジは、序盤は完全な子ども扱いだったのだが、新劇場版では男としてみている節がある。
また、TV版では、終盤あたりで初めて、セントラルドグマの奥深くにリリスと思われる使徒がはりつけにされていることが描かれるのだが、新劇場版では【序】ですでに描かれる。
とはいえ、【序】についてはTV版にかなり近いストーリー展開で違いをあまり感じることはできない作りとなっている。
ラミエルは絶望的に強い
これはTV版でもそうだったように、エヴァンゲリオン前半に登場する使徒の中ではトップクラスに、絶望的な強さを持つ使徒として登場する。
新劇場版でも、序・破・Qと3作を通して、2番目程度に強い(やはり最強は拒絶タイプの使徒と言われるゼルエルではないかと思います。)と考えられる。
よって新劇場版【序】の一番の見どころはラミエルを撃破するための作戦<<ヤシマ作戦>>となるだろう。
TV版のコピーのような進行
ビジュアルや細かいところは違うだろうが大枠としてはほとんどなにも違わない進行ではあるが、一番の見どころのヤシマ作戦。
まずは、ミサトが列車砲でラミエルを攻撃、一瞬にして反撃され蒸発するのを確認。これを見てエヴァによる攻撃しか通用しないことを確認。
その後、戦略自衛隊から陽電子砲なる大型ライフルを接収してきて、それをエヴァンゲリオンに狙撃させるように発射させることを決定。この作戦をヤシマ作戦と呼称することとする。
アニメに突っ込みを入れるのは無粋だと考えつつ、この、エヴァほどの大型ロボットにしか扱えなさそうなライフルを戦略自衛隊はいったい何のために開発し持っていたのが不思議だ。
序・破・Qと、いまだ本編ストーリーで堂々と登場していないJA(ジェット・アローン)用に開発しているのだろうか。
そしして、ヤシマ作戦発動。そこからもTVとほとんど違いのないストーリー展開。
まずは、全国の電力をこの作戦のためにすべての電力を集める。
シンジが登場するエヴァンゲリオン初号機がそれらの電力をすべて集めた陽電子砲を使って、ラミエルの狙撃をもくろむ。
しかしながら、わずかに外してしまい、その刹那にラミエルが反撃。高エネルギー反応。
しかし、エヴァ初号機は狙撃用のスタンバイをしているため逃げられない。
鉄道機関車を一瞬で蒸発させるほどのエネルギーが発せられるため、一巻の終わりに見えるところで、レイが搭乗する零号機が楯を使い防御。
司令官のミサトはシンジに2発目の発射を支持。
エネルギー充填とヒューズ交換を急ぎながら射撃ポイントを探す。
一致したところで即発射。今度はコアを打ち抜きラミエル撃破となる。
零号機は焼けただれ、緊急脱出によるプラグが飛び出てきて、LCLを緊急輩出している。
シンジは初号機でプラグを取り出し登場ドアを開けようとするも高圧のため、プラグスーツが解ける。やけども顧みずドアを開けレイを救いに向かう。
レイは、笑ったことがなく、そして、シンジがレイを救ってほっとした挙句に泣いている姿を見てレイはこんな時、どうすればいいのかわからないとシンジに伝える
【笑えばいいと思うよ】とシンジ。それに対して例は劇中で唯一と言ってもいい微笑みを返す。これにてヤシマ作戦は成功裏に作戦終了となる。
TV版とほとんど違いなく進行したヤシマ作戦。それを含んだ【序】なのだが、本当の最後の最後になって大きく違ってくる
映し出される月面。
すでに蓋が開いている4つの棺といまだ蓋が閉じている4つの棺。
真ん中の5つ目の棺からカヲルが起きるように出てくる。
起き上がったシーンでは、カヲルの前には巨大な人体のようなものが。様々な機会というか足場というか明らかな人工的なパーツが周辺にあることを考えるとエヴァンゲリオンを作っているように見える(もしかしたら、koregaMrk.06か?見ている限りではロボットというより、使途リリスにロボットのようなカウルを取り付けようとしているように見えないことも無い)
そして、本記事に書いたように、【また三番目とは】とか、月にいながらにして、本世界ではまだ接触していないはずのカヲルが、空気がないはずの月で【碇シンジ君】と言っていることを見ても、少なくともカヲルは前世の設定であろうTV版の世界を知っており、その時もリリン【人類】は3番目。また、使徒というのはエヴァの設定では人類のもう一つの可能性という設定なので、本世界も、3番目であるリリンが人類であったということを示しているのではないかと考えられる。
いわゆる前世の旗を句をもって後世世界の設定であろう本劇場版に登場してきたと考えられるカヲル。ここから物語がTV版とは大きく違っていくことが考えられるようなシーンを最後として序は終幕する。