F1にPUサプライヤーとして参戦していたHONDAが2021年をもって参戦終了すると発表した。
HONDAは、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて開発資源を次世代PU開発(おそらく市販車分野についての)にリソースを注ぎ込むことを命題とし、F1参戦活動を終了することを発表しました。
これは、前回リーマンショックによる急速な市場悪化から撤退を余儀なくされたときと状況は違い、将来に向けて取り組むべきことのプライオリティに変化が生じたことによる参戦活動終了のようです。
しかし、見ている日本人F1ファンとしては残念至極でなりません。
これで、また日本メーカーの大きな参戦がなくなり、日本人ドライバーもおらず、見続けるモチベーションが低下するのは間違いありません。
ホンダ、F1撤退は「8月にレッドブルに意向を伝えて9月に決断」#F1jp | #F1 | #ホンダF1 | #HondaF1 | #ホンダ | #Honda | #PoweredByHonda | #F1撤退 https://t.co/NKDoNMUcXx
— F1-Gate.com (@F1Gate) October 2, 2020
現状ではメルセデスPUのメルセデスチームでなおかつ神がかっているルイス・ハミルトンの独壇場です。
対抗しうるとしたら、チームメートのバルテリ・ボッタスですが、ハミルトンとの差が大きくなかなか厳しい情勢で、このメルセデスチームに対抗しうる唯一の存在だったのがレッドブル・ホンダです。
2021年は2020年のルールやシャシーをそのまま使って活動することが決まっていますので、今年の勢力図は2021年度もほぼニアリーイコールでしょう。フェラーリがもう少し上げて来るかどうかといった程度です。
そして、2022年から大きくレギュレーションが変更されるのでこのタイミングでレッドブル、フェルスタッペンがハミルトンに太刀打ちできるのか、フェラーリが巻き返してきてシャルル・ルクレールと三強の一角となるのかに注目していました。
が、ここにきてホンダが撤退となると、レッドブルのPUは、ワークスのおさがりしか選択肢がない以上、フェラーリが今PU開発失敗といわれている以上、2022年以降もメルセデスの独壇場である可能性が相当高くなったと感じられます。
へたをしたらF1サーカスそのものが成立しない可能性まであります。
メルセデスチームはF1からの撤退は数年前から毎度のごとくF1サーカス後半戦になると沸いては消える噂になっています。
火のない所に煙は立たぬというように、実際F1からの撤退は絶対検討していると思います。
これ以上望むものが無いほどまでに成功していますから、そしてフェラーリと違い、F1などカーレースそのものがブランドであるフェラーリとは違いますから、頂点で撤退は大いにあり得ます。
もしメルセデスチームがPUごと撤退となると、残るはルノーとフェラーリ、メルセデスの撤退が波及してルノーも撤退まで見えてしまいます。
そうなるとフェラーリPUワンメークレースとなります。
これはF1といえるのかどうか。。。
というところまで可能性がある話になります。
レッドブル・アルファタウリの2022年以降のPUはどうなる?
まず、そもそも、HONDAのF1参戦終了により、PUサプライヤーは、
- メルセデスPU
- ルノーPU
- フェラーリPU
の3メーカーのPUとなります。
現在のF1のレギュレーションであればPUの選択肢が3つしかないのはやはり寂しいですね。
もっと多彩なPUがあってチームは財政状況やエアロダイナミクスに合わせてPUを選べる選択肢がもうちょっとあった方がいいと考えます。
せめてもう1メーカーくらいはないと、これでは強い・中間・弱いに別れてしまい、今現在であればメルセデス最強、ルノーと、いうより、フェラーリが自滅して最弱で、ルノーが2番手に押しあがった
1強の状態です。
また、メルセデスも、ルノーも、フェラーリも、自身がワークスチームを持つサプライヤーです。
レッドブルのようなPUを持たないチームはワークスのおさがりを導入することしかできないわけで、チャンピオンを目指すうえでは大変不利な状況であろうと考えます。
そして、ルノーは現行のレギュレーション、ターボが再導入された際のルノーエンジンの信頼性の無さに絶望し、HONDAにスイッチした経緯がありますから、ルノー再導入はかなり考えにくく、だからといって、最大のライバルであるメルセデス製PUを積んでいるようではメルセデスチームに勝てる可能性がかなり低くなります。
現状では3番手からも落ちてしまったフェラーリPUだって、PUが良くなればおそらくフェラーリチームも良くなります。フェラーリPUも選択しにくいでしょう。
こうなると、独自開発のPUという話が出ないとも限りません。HONDAあたりと技術提携を結んでRedBullパワーユニットの登場なんて言うこともあり得るかもしれません。
しかし、開発資源を考えたとき、そこまでしてF1参戦を継続するだけのメリットがレッドブルにあるのか?と考えたとき、他のモータースポーツ分野にもっともっと深くかかわることの方がいいという経営判断が出てきてもおかしくありません。
例えばインディです。HONDAはこの度F1の参戦終了は発表しましたが同時に、他のモータースポーツについては引き続き努力していくと言っています。
インディでは、トップクラスのPUを提供しているサプライヤーですから、レッドブルインディチームにHONDAエンジンを搭載して世界三大レースといわれるインディ500にそして、インディ500の3勝目を佐藤琢磨とともに目指すなんて言う青写真があってもいいかもしれません。
なににせよ、レッドブルF1の今後・2022年以降のフェルスタッペンの去就はPUにかかっていると言えるでしょう
HONDAに変わって参戦してくる日本メーカーはいないものなのでしょうか?
いまだルノー連合の一員であるNISSAN
日産がもし参戦するとしたら、おそらく今のルノーの地盤を引き継ぎ、ルノーブランドがNISSANに挿し変わった状態で参戦するのでしょう。
レッドブルがルノーと組んでいたときにも、ルノーのバッヂを付けるのを拒否し、NISSANの海外ブランドであるインフィニティのバッヂをつけて走っていたほどです。
もし、NISSANブランドでF1参戦するとしたらそれはルノーというバッヂがNISSANに変わるところからスタートするのではないかと思います。
また、ルノーが参戦している以上、NISSANが別のサプライヤーとして参戦することは考えにくく、そういう意味ではちょっと難しいのではないかと思います。
TOYOTAは再参戦はないのか?
HONDA以外の日本の自動車メーカーでF1参戦の可能性がありそうなのはTOYOTAですが、F1についてはかなり冷たい視線と持っているイメージがあります。
初参戦した時のトラウマからそうさせるのかもしれませんね。
期待ほどの活躍ができず、思ったようなPU開発ができず、結果表彰台どまりでした。
チームのドライバーとしてはラルフシューマッハなど、優勝できる力を持ったドライバーがいたことを考えても、チーム力が無かったというしかありません。
しかし、TOYOTAの参戦は、F1にとってはかなり活性化され面白さが倍増した時でもあったと思います。
前回は優勝に手が届きませんでしたが、現状のレッドブルのように、チャンピオンを目指しているチームにチームを持たないPUサプライヤーがPUを提供するというのが無いとF1は、自動車メーカーの戦いの場にしかならないともいます。
HONDAにしても、TOYOTAにしてもレーシングブランドがあります。HONDAには無限というブランドがあり、HONDAとして撤退するが無限で参戦継続するなどできないものでしょうかね。
TOYOTAは、GAZOORACINGという名前で様々なレース活動を行っています。考えてみたら日産にもNISMOというブランドがありますね。
なにかそれらを利用してPUサプライヤーとして参戦してくれればいいのですが。。。
三菱・スバル・ISUZU・YAMAHA・MAZDA・・・
日本にはたくさんの自動車メーカーがあります。
が、残念なことに、どんどん統合されて言っており、ブランドとしては存続していますが、三菱はルノー・日産連合傘下ですし、スバルやMAZDAは、トヨタと提携していて、今やトヨタグループといえるほどになってきています。
かりにそれらのブランドでF1参戦するということはそれは、親玉の名前で参戦しづらいため、子分の名前で参戦するに等しいわけで、そう考えると日本の自動車メーカーで参戦の可能性があるとしたらTOYOTAくらいということになります。
しかし、先に示した通り、TOYOTAは前回参戦のトラウマがありますから、そう簡単にF1に参戦してこないでしょう。
海外のPUサプライヤーはどうなのだろう?
コスワース
まずはやはりコスワース。
コスワースがF1に復帰することは重要でしょう。
過去にもたくさんの成功例を産み出し、あくまでPUサプライヤーとして参戦するスタイルは、レッドブルのような非自動車メーカーには大変ありがたい存在です。
フォードコスワースとしての経歴は輝かしいものがあります。
もちろん今から開発するPUがトップクラスに対抗しうるものを開発できなければ過去の栄光に浸っていてもどうにもなりませんが、コスワースのような参戦スタイルのPUが1~3メーカいるかいないかで全然違うと思います。
イルモア・ランボルギーニ・ジャッドなどなど。。。
過去にはいろんなエンジンサプライヤーが参戦していました。
日本メーカーでも幻となったいすゞやスバル、片山右京とともに一世を風靡したYAMAHA、YAMAHAに至っては、考えてみたらバイクはあれど車を持っていないのに、F1のエンジンを作るという、めちゃくちゃな時代でしたね。
日本人初の表彰台となった鈴木亜久里は、当時ランボルギーニエンジンが搭載されたマシンで表彰台に上りました。
エンジンの提供という分野に限ってなら、参戦できそうなメーカーもたくさんあると思うのですが、今のPU開発は複雑でかなり高度らしいですので、そうそう簡単に参戦できないのでしょうかね。。。
そうなるとやはり、コスワースにはぜひ参戦してもらいたいものです。