CentOS8のサポートが2021年末をもって終了となることが突如発表されました。
CentOS7のサポートは2024年までとなっているため、できれば2022(ギリギリでも2023)年末には、CentOS7で構築しているサーバーマシンは何かしら違うディストリで稼働させることが望ましくなってくるだろう。
本来であれば同じディストリの上位バージョンへと移行するのが筋なのですが、なにせ、CentOS8は7より先にサポートのリリースが終了します。
そして、CentOSは、今後はRHELのデベロップバージョンのような扱いとなり、サポート期間が短くなります。(FedoraCoreのようにサーバー用実験ディストリのような位置づけになる)
そうなってくると、何かしら別のディストリビューションを選んでいくべきところまで差し掛かってきていて、いったい何を選べばいいのかと迷い始めた方も多いはず。
そこで、最近発表されたCentOS8の1:1互換と謳われているAlmaLinuxなるものを試してみました。
AlmaLinux
AlmaLinuxは、CloudLinux社がコミュニティベースで開発を進めるオープンソースディストリビューションという位置づけになっています。
AlmaLinux8については、現在のところCentOS8の1:1互換性を持つディストリビューションということで開発を進めているようです。
今後はRHELのオープンライセンス部分で構成するクロンディストリビューションとして、コミュニティベースでアップデートを提供していくつもりだそうです。
CloudLinux社はこのコミュニティに、年100万ドルほどの支援を行うことを表明しており、このプロジェクトが成功し安定してこれば十分検討の余地があるディストリビューションとなりそうです。
なにせ、現在のところアップデートはyumとなり、RHEL互換なので、パッケージ管理はRPMとなりますので、従来のCentOSと同じように使えることが最大のメリットです。
また、現在のところCentOS8からの移行ツールが提供されているそうで、すでにCentOS8でサーバーを構築し運用を始めてしまっている人も、そのまま移行できると言うのがありがたいですね。
ubuntoではダメなのか?
代替のディストリ候補筆頭ともいえるのがubuntoなのかもしれません。
こちらについてはアップデートのリリース期間も長いことと、ディストリ自身が軽いので結構好まれているディストリの一つですね。
ただ、CentOSユーザからすると、アップデートがyumからaptに替わることに一抹の不安を覚えている人もいるはずです。
実際はそれほど変わらないのですが、やはり今までと同じように使いたいという方についてはubuntoは、最後の選択なのかもしれませんね。
Pleskを入れてみたい
AlmaLinuxは、すでにDVDイメージも公開されていますので容易にテストすることができます。
ということで早速インストールしてみました。
インストールが完了した時点ではディストリ名こそAlmaLinuxですがそのほとんどはCentOSと変わらない操作で運用が可能ですし、yumコマンドで各種パッケージは今まで通り導入ができますので、ディストリ名以外に違いはありません。それはそうですよね。CentOS8の1:1互換ですから。今の時点では一切の違いはないはずです。
では、違いがないのなら、Pleskもインストールできるはずだということで、導入すべく、インストーラーをダウンロードしてきてインストールを試してみました。
そうしたところ、
AlmaLinuxなるディストリビューションはPleskではカバーしていないディストリなのでインストールできませんぜ親方
的なエラーでインストーラーが止まりました。
Pleskのインストーラーはカバーしているディストリをチェックしているようですね。
と、言うことでウラ技を使いました。
現状ではCentOS8の完全互換ですから入ってしまえば動くはずなのでPleskのインストーラーがAlmaLinuxではなくCentOS8とご認識してくれればインストールはできるはずと考え、ちょっとだけ裏技で修正。
さするところ、すんなりインストール完了。
その後AlmaLinuxに戻してみたけど、Pleskは、インストールさえ終わってしまえば、アップデート等ではディストリのチェックはしない模様。
おそらく、Pleskサイドも早晩AlmaLinuxに対応してくると想定されるので、現状ではインストールさえできてしまえば動きますよというのが確認が取れただけでOK
入れてしまえばいつも通りのPleskだし、SSHで操作するような部分は現在のところは、CentOS8完全互換なだけのことはあり、同じファイルパスで同じように管理が可能であることが確認できました。
信頼性・安定性などは?
これは今後どうなっていくかによりますし、コミュニティベースのサポート体制となりますので、利用者が増え、フィードバックや開発ボランティアが増えてこないことには何とも言えないものはありますが、CloudLinux社が支援に回ったことで、ずいぶん安定実は増すのではないかと思います。
また、CentOSにとって代わるCentOSに近いディストリビューションを渇望している人はかなり多いのではないかと思いますので、RHELの下に組み入れられた感じのあるCentOSをもう使えないと感じている方も多いはずなので、AlmaLinuxがRHEL系のオープンソースとして先頭を走っていく可能性は大いにあるのではないかと感じました。
私は顧客に提供するLinuxについては基本的にPleskを導入しますので実はあまりディストリにこだわりはないのですが、とはいえいざトラブルが発生した際にやはり慣れ親しんだRedHat系でCentOSにかなり近いものであった方が安心して管理ができると感じています。
CentOSにとって代わるディストリを探しておられる方はぜひ一度AlmaLinuxを試して見られることをお奨めします。