自分が高校生の時、とんでもない怪物が現れたと、お昼の情報番組でも取り上げられていたのがトウカイテイオー。
高校1年生かな?2年生かな?
そのくらいの時の競走馬だとおもう。
僕は高校生のゴールデンウィークは決まって同級生の実家がタケノコ屋さんをやっていて、そのお手伝いだった。
そんな春。GW。
無敗でダービーまで勝ち進んで父のシンボリルドルフ以来の三冠馬、また、父以来の無敗での三冠がかかっていたトウカイテイオーは怪我による無念の菊花賞回避。
明けた5歳(当時の表記で5歳。現代なら4歳)の天皇賞春。
怪我からの復帰戦は大阪杯。無類の強さを見せ、いまだ無敗のトウカイテイオーが万全の態勢で挑んだ天皇賞春。
これを、タケノコ屋さんで見ていたのを覚えている。
ちょうど出走する15時~16時台って、飲食店にとって一番人が来ないタイミング。なので、ちょっと遅いお昼ごはんのタイミングだ。
毎日タケノコ飯でもういい加減にしてほしいというタイミングで出てくるササミかつ。あの味が忘れられない。
そんなササミカツを食べながらまだガキの高校生が3人でNHKで天皇賞を見る。
こんなのトウカイテイオーでしょとか。何を解っていってんだよって話ですよねw
負けた。完敗。勝ったのはメジロマックイーン。天皇賞春連覇。
今になって思えばマックいーんが勝って当たり前だったのかもしれない。
けど、当時高校生のガキからしてみれば、負けたことがないテイオーは、皇帝の子供なんだし、負けることなんてありえないくらいで思ってみてたな。
そして、いろいろあって、最後の有馬記念。
これで引退が決まってた。
当時自分は高3。
自分の先輩はもう20を超えていて馬券を買うってよく言ってた。
2年前の有馬記念は、お前の本命の馬から買うから、何が良いと思う?と聞かれ、絶対ツインターボだと確信して先輩に痛い目を合わせてしまったので、予想は封印してた。
その翌年は、先輩が、お前は去年大逃げ打つ馬を予想してたから今年は大逃げするだろうメジロパーマーの単勝一本にするわ!
と。確か1万かけてた。
その日の夜においしい焼き肉を食べに連れて行ったのを覚えてる。
そして、93年。
先輩はビワハヤヒデとウィニングチケット以外考えられないとずっと言ってた。
予想してはずしたらいやだから黙って聞いてたんだけど、パドックでどうしても気になったので思わずつぶやいてしまった。
【トウカイテイオー、なんかよさげじゃないです?オグリキャップみたいなことありそうじゃないです?】って。
オグリキャップは引退レースの有馬記念で最後の激走で、最後まで競馬の世界を盛り上げたアイドルホース。
あの時の走る気満面の目。今のトウカイテイオーが同じ目をしてると思った。
先輩が、お前がそこまで言うなら一応抑えておくか。と。
当時はまだ馬連までしかない時代。
抑えとはいえ何とか馬券を当てることができたって喜んでたな。
そして、そんな自分も高校を卒業。
そして、20歳になります。
馬券を堂々と買ってもいい年齢になりました。
当時は田舎ではなかなかJRAの馬券を買うことができなくて、電話投票権も年に1回の抽選で、そう簡単に当選しない時代。
私の父の友人が電話投票権を持ってるってことで、一緒に馬券買ってあげようか?と声をかけてもらった。
やっていいことではないのかもしれないが、なにせJRAの馬券を買うには一番近い所でも300㎞くらい向こうだった。から、1万円分だけお願いすることに。
有馬記念。
その有馬記念は、三冠馬ナリタブライアンがけがから復帰。
天皇賞秋、ジャパンカップと凡走を繰り返していたけど、いよいよ本格的に戻ってきているんじゃないかと言われていて2番人気。
1番人気はナリタブライアンの同期で牝馬、バケモノとまで言われたヒシアマゾンが1番人気だった。
今までの競馬人生の中でも唯一と言ってもいいくらいのひらめきで、絶対にマヤノトップガンが勝つという確信を持ってた。
それなら素直に単勝1本でいいのに。。。まだ馬券の買い方もわかってない自分は馬連を当ててこそ馬券を当てたと言えるんだくらいに思ってて相手探しに奔走。
1~2番人気の女傑ヒシアマゾンと三冠馬ナリタブライアンは外せない。。絡む可能性が最大の2頭。
天皇賞秋を買っているサクラチトセオーと、同2着で皐月賞馬のジェニュインもはずせないな。
あとは、タイキブリザードは調教も良かったし、こういう馬はいつか大成すんだよなと思ってた。
しかし、これだと、相手が5頭。1万円なら2000円ずつ。
ちょっと面白くないな。。。ってことでここから削ることに。
当時、まだまだ牝馬は牡馬に勝てない風潮があったので、来たら仕方ないってことでヒシアマゾンを落とし、サクラチトセオーは最後の500mが持たないと考えて落とし。
マヤノトップガンが勝つという前提から4歳馬(現代の表記なら3歳)2頭の決着も無いだろうとジェニュインを消し。
これで、ナリタブライアンとタイキブリザードの2頭に。
これで、5000円ずつ買っておけばいいものを、ここまで来たら一点勝負だと。
マヤノトップガンとナリタブライアンの馬連1点勝負に出てしまった。
タイキブリザードも1000円でいいから抑えておけばそれでも収支はプラスで終えられたのに。。。
よくたましく1点勝負したのが運の尽き。というか、そもそもそんなに確信があったのなら単勝でしょうと。もう20数年たった今でも思い出す。
たぶん自分の競馬人生の中でも本当に1~2を争うほどのひらめきだった。もう、このひらめきは出ないかもしれない。
ここから私は競馬にどんどんのめり込み。
当時まだ高校生の弟を連れてよく地方競馬場に行ったもんだ。
弟がどんどん悪い道に進んでいったのは間違いなく兄である私のせいだろう。